Owners Voice AKIYATOのオーナーの声

#002
新潟県佐渡島
遊び心がひらく、場所と投資のあたらしい関係 斉藤様

もう一つの場所があるという感覚

斉藤様にとって、地方に拠点を持つという発想は、まったくのゼロから生まれたものではなかった。実家が別荘を所有していたこともあり、年に数回足を運ぶ時間があった。いつもと同じ家族と過ごしているはずなのに、場所が変わるだけで、時間の流れまでもがゆっくりになる。その不思議な感覚を、彼は身体で覚えていた。

都市とは別に、もう一つの場所がある暮らしにはどこか親しみがあったという。都市での暮らしは便利で、何もかもが揃っている。だが、すべてが整っているからこそ、余白は少ない。決まった場所へ通い、決まったリズムで日々を過ごす。

その安心感の一方で、どこかにもう一つの場所を持つことが自分の感覚を少しだけ自由にしてくれることを、日常とは異なる土地に身を置くことが時間の豊か差を与えてくれることを、どこかで知っていた。

購入を意識したきっかけは、信頼している人物からの紹介だった。それ以前から投資のかたちで関わりがあり、新たな取り組みを始めるという話を聞いたとき、彼の中にまず浮かんだのは、計算ではなく純粋な興味だった。まっすぐに「おもしろい」と感じることができたという。

その感覚は、どこか懐かしいものでもあった。投資として成り立つ可能性はもちろん考えていた。ただそれ以上に、行ったことのない場所へ足を運ぶ理由ができることに心が動いた。知らない土地に向かう動機がひとつ増える。その軽やかさが、背中を押した。

時間をかけて辿り着くという体験

佐渡という場所は、日本全体で見れば決して気軽に行ける距離ではない。日本海側まではるばる出向き、船に乗って海を渡り、時間をかけて辿り着く必要がある。だが彼は、その距離を不便だとは感じなかった。むしろ、その移動の時間こそが、日常から切り離されるための大切な過程のように思えた。

また、一度島に渡ってしまえば、決して不便な立地ではなく、アクセスも想像より悪くないと感じている。辿り着くまでの時間も含めて体験になる。移動の手間さえも、非日常へ切り替わるための助走のように思える。

フェリーに乗り、海を渡る。そのあいだ、都市の喧騒は少しずつ遠ざかり、頭の中の速度もゆっくりになっていく。到着する頃には、身体のリズムそのものが変わっている。その感覚は、飛行機でどこかへ移動するのとは異なる種類のものだった。距離があるからこそ、その場所に行く意味が深まる。辿り着くまでの時間も含めて、すでに体験は始まっている。

「コストパフォーマンスという言葉では、あまり説明できないですね」と斉藤様は言う。

もちろん投資である以上、数字は無視できない。だが、数字だけで測れるものではない価値が、そこには確かに存在していた。サウナがあり、愛犬と滞在できる。自分のペースで時間を過ごすことができる。

単なる宿泊施設ではなく、「こういう場所があったらいい」という誰かの想像が、具体的な形として立ち上がっている。その思想に触れたとき、投資という言葉だけでは収まりきらない魅力を感じていた。収益性の有無よりも、取り組みそのものが面白いかどうか。その視点が判断の軸になっている。

人生の中に、新しい余白が生まれる

実際にオーナーとしての利用権を初めて知ったとき、彼の中で新しい想像が広がった。年間数泊、自分自身がその場所を使うことができる。当初は一つの物件だけだと思っていたが、シリーズ内の他の拠点も利用できると知り、驚きとともに、楽しみが増えていった。

「次は、どこに行こうか」

その問いが、自分の中に自然に生まれていることに気づいたとき、彼はこの選択の意味を実感していた。それは、単に不動産を所有するという感覚とは少し違っていた。むしろ、複数の場所へアクセスするための鍵を手に入れたような感覚だった。旅の選択肢が広がり、時間の使い方そのものが変わっていく。その変化は、静かだが確実だった。

実際の滞在では、家族や友人と過ごす時間を思い描いている。サウナに入り、夜の静けさの中で言葉を交わす。海を眺めながら、普段はしないような話をするかもしれない。都市の中では生まれない会話が、そこでは自然に生まれるような気がしていた。

さらに、利用権を譲渡できるという仕組みにも、大きな可能性を感じている。自分自身が使うだけでなく、大切な人に体験を贈ることができる。その場所で過ごした時間が、新しい記憶として誰かの中に残っていく。その循環を想像するとき、単なる所有とは異なる価値が生まれていることを感じていた。

斉藤様は以前、「遊園地をつくりたい」と語ったことがある。それは物理的な意味だけではなく、人が自然に集まり、楽しいことが生まれる場所をつくりたいという願いだった。

今回の関わりも、その延長線上にあるのかもしれない。一つの施設ではなく、複数の拠点がつながり、そこにさまざまな人が訪れる。それぞれが、自分だけの時間を過ごし、思い出を持ち帰っていく。その連なりの中に、自分も関わっている。その事実が、彼にとって何よりも魅力的だった。

彼が望んでいるのは、単なる資産の増加ではない。場所と人の関係が、少しずつ豊かになっていくこと。その過程の中で、自分自身もまた、新しい遊び方を見つけていくことだった。

会社として安定し、多くの人に知られ、拠点が増えていく。その未来を想像するとき、彼の中には期待が広がっていく。そこには、自分自身の時間が重なっていくという実感がある。

斉藤様にとってこの選択は、投資という言葉だけでは説明できないものだった。それは、自分の人生の中に、新しい余白をつくる行為だった。

そして同時に、遊び心という目に見えない価値を、現実の社会の中にそっと実装していくための、静かで確かな一歩でもあった。